英語の発音の仕方/ 英会話初心者のための英語の発音の仕方〜基礎知識その2
こんにちは。英会話講師のエリーグレースです。
英語の発音の仕方/ 英会話初心者のための英語の発音の仕方〜基礎知識その2をお話します。
今回は、英語の発音についての基礎知識の第2段です。英語の発音は、サラリと説明して理解できるものではないので、いろいろと例を交えながら何回かに分けてお話していきたいと思います。
私がご紹介するのは、英語の初心者の方が対象です。レベルでいうと、中1と中2で学ぶ文法や表現法などが中心。英語の土台作りに役立つ内容を学ぶというレベルと言えます。
それは、きちんと自分の要求や好み、また依頼を伝えることができる、そして相手の返事や様子にうまく受け応えることができる、と言うくらいです。つまりスムーズな応答ができると言うことですから、簡単な会話は十分に成り立つことを目指しています。
前回の記事:『英語の発音のコツ/ 難しいと感じる人のための英語の発音〜基礎知識その1』では、英会話初心者が英語を話すときのコツやマインドについてもお伝えしました。 この記事では、英語の発音の仕方についてまとめてみました。
1.英語の発音の仕方についての概念〜アメリカ英語とイギリス英語
英語の発音の仕方についての概念〜アメリカ英語とイギリス英語についてお話します。
英語の発音について学ぶ時に、アメリカ英語とイギリス英語とどちらを学ぶといいの?と疑問に思う方もいると思います。
私はアメリカに留学し、ニューヨークに20年以上も住んだから完璧にアメリカ英語ですが、なんか持たざる者の憧れからイギリス英語ってカッコイイな、と思ったりもします。しかし、アメリカ英語を身につけてよかったな、と思っています。
なぜか?
今、世界で使われている英語はほとんどアメリカ英語が土台となっているからです。やはり、これはアメリカが長年、世界のリーダーとして経済的な大国だからでしょう。今現在、世界で一番影響力が大きいのはご存知のことと思います。
日本での英語のテキストは、アメリカ英語をベースとして組まれていますし、英語の辞書もそうです。発音記号の横には((米)) ((英))と書かれているのを見ますね。
私のお勧めの英語の辞書:研究社の新英和中辞典(New College English-Japanese Dictionary)を参考にしてお話します。
2.英語の発音の仕方には米国発音と英国発音があります。
英語の発音の仕方には米国発音と英国発音があります。
2-1.米国発音とは?
アメリカ本土の、東部や南部地方を除いた広範囲の中西部地方で話されているアメリカ英語のことを言います。よく一般米語(General American)と呼ばれていて、辞書では((米))と表記されています。
2-2.英国発音とは?
それに対して、代表的な英国の発音とは、ロンドンを中心としたイングランドの南部地方で教養のある人たちが話す言葉で、辞書では((英))と表記されています。
権威ある研究社の辞書がそのように言っているので理解しましたが、なるほど、訛りが強い地域というのがあるから、それを意識して外しているのだな、とわかりました。
イギリス英語もかなり訛りが強い地域がありそうですが、アメリカ南部訛りは特に黒人のアクセントが特徴的。話し方がやはりテレビなどから耳にすると違うなと感じます。英語のヒアリングが進んでくると、この違いがよくわかるようになってくるので楽しみにしていたらいいと思います。
このブログでは、英語の発音の仕方は米国発音を元にお話します。
アメリカ英語とイギリス英語と相当違うのか、と勘違いする人もいますが、思ったほどではありません。どちらかをきちんと学んでおけば、どちらもバッチリと通じるようになりますから、ここでは心配しない方がいいです。
ただ学ぶ時には、あっちやったりこっちやったりしないように。きちんと基礎が身につくまでは今からやるのであれば、アメリカ英語を身につける方が早いでしょう。たくさん教材も揃っているし、情報量も豊富だし。まずは世界で一番通じるし。
ヨーロッパに行くとよく何ヶ国語も出来るという人に出会いますが、ヨーロッパ人の英語はイギリス英語が土台となっています。歴史的に見て、英国の影響を強く受けたからでしょう。
イギリス人から見たら私の英語は、 “Oh! You have an American accent.“= 「アメリカ英語を話すんですね」と言われます。自分と違うな、と思うのでしょうね。
2-3.米国英語と英国英語の発音の顕著な違いは?
米国英語と英国英語の発音の顕著な違いはあるのでしょうか?
アメリカ人がイギリス英語を真似するときによく使われる例としては、
「ここに駐車できない。」 “I can’t park here.”
米国発音だと、「アイ・キャァーント・パーク・ヒアー」
英国発音だと「アイ・カーント・パーク・ヒア」
つまり “can’t” の発音がすごく違います。
アメリカ英語では“can’t”の発音が、「キャァーント」になり、母音の「ア」の“a”の口が横に大きく開いて発音する感じ。日本語の「ア」と「エ」が交じったような音に聞こえます。
それに対してイギリス英語は、“can’t”が「カーント」になり、母音の“a”の口が縦に長く開いて発音します。
この両方の口の形をして、“can’t”をそれぞれ発音してみてください。簡単にできるでしょう?
イギリス英語には、口を横に思いっきり開いて発音する母音がありません。米国発音の方がより口を縦横に動かして発音するように見えます。
英語の辞書には、発音が違う場合は必ず両方の発音が並んで表記されています。辞書を引くときに注意して見てみてくださいね。
余談ですが、、、
今は私はイギリス英語にとても興味がありますので、しばらくの期間、イギリスに住んでみたいなと思うくらいです。私は、ニューヨークではお花をやっているので、花の修行も兼ねてアレンジメントの発祥の地、ロンドンに行きたいと思っています。そうしたら、もっとアメリカ英語との違いがわかるので、それをしっかりレポートしたいな、と思います。
3.英語の発音の仕方入門編
それでは、英語の発音の仕方入門編です。
きれいな英語の発音のために必要なポイントをお話しします。次の3つのことがらを学ばなければなりません。
- 正しいsound(音)
- 正しいstress(強勢)
- 正しいintonation(抑揚)
ここで話す内容は、私の英会話レッスンで使用している以下のテキストを参考にしています。
- 「アメリカ口語教本入門用」(William Clark 著:研究社出版)
- 「英語で歌おう!ホップスの名曲からマザーグースまで」(柏木厚子著:アルク出版)
3-1.正しいsound(音)
まず、正しいsound(音)についてです。
英語には最低11の母音(ぼいん)があります。最低というと不思議でしょうが、言語学者によってはなんと30にも分類する人もいるくらいで、正確な数ははっきりしません。それ以外の音を子音(しいん)と読んで音を区別します。
3-1-1.母音(ぼいん)とは何でしょう?
母音(ぼいん)とはどういうことを言うのでしょうか?
英語では“vowel”=「ヴァウル」と言い、略して(v)と書かれています。
母音は、日本語の「ア・イ・ウ・エ・オ」のように、肺から出る空気が、舌や歯やくちびるなどに邪魔されないで自由に出る音のことを言います。
例えば、りんごのアップルを発音してみてください。
“apple” この時の“a”は、肺から出る空気が、舌や歯やくちびるなどに邪魔されないで出てくるのを確認できますよね。これが、母音です。
日本語は、全ての音に母音が入っていますよね。口の中の摩擦が少ない音なのです。
3-1-2.子音(しいん)とは何でしょう?
子音(しいん)とはどういうことを言うのでしょうか?
英語では“consonant”=「コンソナント」と言い、のどから出る息や声が途中でいろいろと邪魔されて、口か鼻から出る音のことをさします。母音以外と捉えておけばいいでしょう。
子音には、無声音と有声音があり、イメージ的にはカ行とガ行、サ行とザ行など、音が濁るとか濁らないとかと区別します。
例えば、“p” と”b” で見てみましょう。
“pen” =「ペン」 “p” は「プッ」という無声音で、息だけを伴って発音される音です。
“big” =「ビッグ」 “b” は「ブッ」という有声音で、声を伴って発音される音です。
3-2.正しいstress(強勢)
強勢とは、『どこを強く言うか弱く言うか』のことです。それをアクセントと呼ぶ人もいますが、アクセントという言葉は使わずにあえて“stress”(強勢)で説明する人もいます。
英語の発音では、強勢が非常に大切です。強いところと弱いところが、きれいに組み合わされてリズム(rhythm)を作ります。リズミカルな英語を話すためには、常に強勢に注意しましょう。
英語の全ての名詞に強勢が必ずあります。どこかを強く言わないと英語らしく聞こえないものです。固有名詞ももちろんそうです。
3-2-1.英語の発音であなたの名前を読んでみましょう。
ここで、あなたの名前を英語読みで発音してみましょう。
例えば、野球のイチロー選手はどう発音するかというと、
日本語では「イ・チ・ロー」ですよね。どこを強く言うかなど考えたことありませんよね。
ところが英語では、“Ichiro”= 「イッチロー」
最初の「イ」に強勢を置き、そこを強く言います。
「イッチロー」と途中の「チ」だったり、また「イッチロー」と最後の「ロー」を強く言うと、、、なんか馴染みなく聞こえますよね。変に聞こえませんか?
苗字の「鈴木」ではどうでしょう?
“Suzuki”= 「スズーキ」となり、真ん中の「ズ」が「ズー」と強く読まれ、そこに強勢を置かれた方が英語では発音しやすいです。
さて、それではあなたの名前の場合はどうしたらいいでしょう?
海外に行く前に、英語で名前を言う機会の前に、一度あなたの名前はどこに強勢を置いて発音すべきかご自分で決めるといいですよ。そして、そのように読んでもらえばいいのですから。
必ずどこかを強く言わないとリズミカルではないので、ネイティヴには発音しにくくなります。
私の友人に「Toshiko = としえ」さんがいましたが、名前をそのまま読むと、「トシーエ」になります。
そうすると、途中の「シ」に強勢を置かれてしまうし、ネイティヴからしたら発音しにくいので、「Toshi = トシィ」と呼んで、としていました。ま、いわゆるニックネームですね。これだと最初の「ト」が強くよまれるので、言いやすくなりますよね。
こんな風に、あなたオリジナルの名前の呼び方を決めて呼んでもらえばいいのです。さて、あなたはどんな名前を考えますか?どこに強勢を置いて呼んでもらった方がいいと思いますか?
3-3.正しいintonation(抑揚)
抑揚とはイントネーションのことです。音程の変化によって生じる音調をさします。音程が上がったり下がったり聞こえます。
強勢がリズムに対して、抑揚はいわばメロディーにあたるでしょうか。強勢は、一つ一つの単語にかかるけど、抑揚は文章全体の読みに関わります。
なんか、私には英語の文章はこんな感じに聞こえるイメージです。
「タン・タ・タン・タ・タン・タ・タン」とリズミカルに。
「タン・タン・タン・タン・タン」
とか
「タ・タ・タ・タ・タ」 では、ないです。
英語で「初めまして」の “How do you do?” と発音してみてください。
イントネーションは、「タン・タ・タ・タン」のリズムで、音程は、高い、並、並、高いと変化します。決して全部同じ調子の音程では話しません。
英語の音程の変化は4種類に区別されます。低い、並、高い、すごく高いの4段階。
“How do you do?” は、“How”という「疑問詞」から始まっているので、最初は高い音程から始まります。
でも、普通のセンテンスは、最初は並の状態から始まって、動詞の部分が高くなり、最後はまた並に戻ります。
“I study English.”
音程は、並、高い、並となり、“study”の動詞の部分が強調されるのがきれいな抑揚です。全部同じ調子に読むと日本語っぽくなりますね。
疑問文なら最後は高くなり尻上がりの言い方になりますよね?すごく高いのは、驚いた表現のとき。
3-3-1.英語の発音よりもイントネーションを。
私は実は、英語の発音よりもイントネーションの方を重要視しています。
日本人の初心者さんの英語は、最初は全く平坦な読み方で音の響きが重く聞こえます。どこを強くいうのか、センテンスのどこで区切っていいのかわからない、とよく質問されます。
言葉一つ一つの意味よりも、文章全体の意味とかその前後の流れがわからないと、イントネーションをどのようにつけていいのかわからないものですね。
ガッガリしているのか、喜んでいるのか、心配しているのかなどの感情表現の場合と、疑問形の言い方など。ここが、文法やリーディングの方が得意であまり会話練習して来なかった人には、難しく感じるところでしょう。たくさんの会話構文に慣れてないと、正しいイントネーションはついてきません。
日本語は一つ一つの音に母音が入っているから、どうしても重く聞こえるのです。ですから、その調子(くせ)で話そうとすると、英語らしくないので簡単なことでもネイティヴには通じず“What?” と聞き返されます。
発音の上手い下手よりも、イントネーションが正しい方がより英会話が成り立ちます。個々の単語を正しく発音するのにこだわるよりも、文章として滑らかに通じるかを気にしましょう。
ここは、全く日本語と違う点ですね。英単語一つ一つの発音はイマイチな人でも、正しい抑揚で話しているととても説得力が増すのです。ネイティヴにとったらその方が理解できるのでビジネスにおける交渉などにも問題なく進めることができます。
3-3-2.イントネーションがきれいになるには、どうしたらいいのでしょうか?
イントネーションがきれいになるには、どうしたらいいのでしょうか? の質問ですが、、、
それは、聞こえた通りに発音できるように、きれいな英語をよく聞いて真似るしか方法はありません。繰り返しの練習がとっても大切なのです。
また、学ぶ時には短い会話文から真似ていくのがベストです。どこかの文章を切り取ったフレーズ集などは、一見効率的に見えますが、実はそうではありません。フレーズ集のまとめは、基礎力が十分についた人が口慣らしのために、復習を兼ねてやって見ると効果がありますが、初心者の方にはお勧めしません。
練習法は、日本語に置き換えてもそうですよね?大阪弁を話せるようになりたいと思って、地方出身の人がテレビで聞く大阪弁を真似て習おうとしても、、、圧倒的に入ってくる音の量が少ないから、大阪人のようには決して話せるようにはならないのでは??
やはり大阪弁独特の抑揚とか言い回しとかは、本場の大阪に暮らして、どっぷりと経験してそれでなんとか大阪弁っぽく話せるようになるのではないでしょうか?
私は大阪弁とは無縁なので、私の場合を想定して例として出しています。大阪の人は、例えば九州弁とか沖縄弁とか当てはめてみてくださいね。
もちろん昔と違って今はネットからなんでも情報が取れます。でも、やっぱり本物を身につけるには相当の時間と努力が必要です。
英語の発音も全く同じように捉えて見ると、理解できると思います。語学の習得には圧倒的な刺激と練習量が必要なんですね。それと、良いお手本(CD)とか先生ですね。
次回以降に、更に英語の発音をよくする方法を教えていきたいと思います。
4.まとめ
英語の発音には、米国発音と英国発音があります。
世界中で圧倒的に使われているのはアメリカ英語になります。日本のテキストや辞書もそうです。 だから、これから本格的に学びを進めるのであれば、アメリカ英語を学ぶことをお勧めします。
しっかり学べば、どこで使われている英語であろうとそれほどの違いはなく、世界中どこでも通じるようになります。
英語の発音の仕方入門としては、次の3つのことがらを学ばなければなりません。
- 正しいsound(音)
- 正しいstress(強勢)
- 正しいintonation(抑揚)
英語の土台作りのためには、ある程度の基本的な英語の構造や決まりごとを覚えておく必要があります。
英語はとてもリズミカルな言語なので、日本語との違いをしっかりと理解して学びを進めましょう。きれいな英語の発音のためには、きれいな英語をよく聞いて真似るしか方法はありません。繰り返しの練習がとても大切です。
語学の習得には圧倒的な刺激と練習量が必要です。それと、良いお手本(CD)とか先生もです。
それでは、また次回以降の英語の発音についての話もどうぞお楽しみに。
Ellie Grace
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