英語の発音のコツ/ 難しいと感じる人のための英語の発音〜基礎知識その1
こんにちは。英会話講師のエリーグレースです。
英語の発音のコツ/ 難しいと感じる人のための英語の発音〜基礎知識その1をお話いたします。
英会話初心者に向けて、最低知っておいた方が良い英語の発音に関するキーポイントをいくつかお伝えしたいと思います。今回は、基礎知識のシリーズの第1回目です。
私の言うところの英会話初心者とは、中学1年と2年で学ぶレベルで英語の基礎中の基礎に相当する内容のことです。英語の土台作りに役立つ内容を学ぶというレベルと言えます。
では、その中学1年と2年で学ぶレベルとは、どれくらいの内容なのでしょうか?私が今、重点的に教えている生徒さんたちがそうで、きちんと基礎を踏まえると驚くほど英語の発音もイントネーションも含めて上達しています。そして、自信がついてきています。
それは、きちんと自分の要求や好み、また依頼を伝えることができる、そして相手の返事や様子にうまく受け応えることができる、と言うくらいです。つまりスムーズな応答ができると言うことですから、簡単な会話は十分に成り立ちます。
海外旅行や普通の日常会話では、このレベルがクリアーできれば問題なく楽しめます。しかも、ここをしっかりやっておけば、それ以降には英語がもっと楽しくなり、自発的にどんどん上達したいという意欲が湧いてきます。だから基礎をしっかりと、でも楽しくクリアーしていくように持っていきましょう。
短い文章でサラリと言えるくらいで楽しく会話ができます。あまり細かい発音を気にすると進めないので、初めに英語の発音の大きな概念を理解しましょう。そして、学んだことをどんどん実践していきましょう。
いずれネイティヴ並みに「ペラペラ」を目指すにしても、まずは段階を踏まなければなりませんね。最初にあなたはどのくらい「ペラペラ」になりたいのか、ここでちょっと考えてみてください。
この「ペラペラ」の概念は非常に抽象的なんですね。私の母は、全く英語ができない80代ですが、外人さんと話すのを躊躇せずに積極的に話しかけるタイプの人です。
ある時、よく行くお茶やさんでアジア人を見かけてすぐに「どこから来たの?」と日本語で話しかけました。すると、向こうは何か英語で返事しますけど、母の答えは「ノー・スピーク・イングリッシュ」とニコニコ顔で言うだけ。これだけは言えると自慢顔の母です。(笑)
とは言っても、完璧な日本語読みの発音なんです。それでも、そこの年配の店員さんは、「まぁ、英語がペラペラなんですねぇ。すごいですねぇ。」と感心したそう。
英語のできない人にとっては、そうやって楽しそうに何か話しているような様子をみただけで、「ペラペラ」って判断するって、面白いと思いませんか?
まぁ、母の例は、超・超初歩で英語がほんのちょっとだけできれば満足のレベルなので、例えばその「ノー・スピーク・イングリッシュ」とか、「グー」(=グッド=goodのこと)がきちんとしたアクセントやイントネーションでもって言えれば嬉しいのです。
でも、これからきちんと英語の基礎をつけようと思う方にとっては、もっと突っ込んで会話したいですよね。やはり目指すは中学1年と2年で学ぶレベルで「ペラペラ」になるようにしたいと思いませんか?そうすると、大変自信がつきますから、お勧めです。
これから英語の発音についてお伝えすることは、あまり専門的なことは言いません。英語の発音を詳しく文字で表したり、一つ一つじっくり見て行くなら、きっと英語初級の方はついて行けなくなることでしょう。今の段階であまり詳しくやっても応用が効かないと思います。もっと専門的な内容は、言語学者の出版されている本を参考にしてください。
しかし、英語の発音に関しては、初心者の方でもこれだけはきちんとおさえておいた方がいい基本はいくつかあります。今回は、英語の発音の基礎についてのその1です。
目次
1 英語の発音が難しいと感じるのはなぜ?
英語の発音が難しいと感じるのはなぜでしょうか?
英語は、日本人にとって最も難しいという学者さんもいます。兄弟関係にある他の言語がないというのが理由です。
例えば、英語はゲルマン語でドイツ語やオランダ語に共通している点が多いですし、またずっとたどって行くとラテン語を親とするフランス語、スペイン語、イタリア語などに通じます。
しかし、日本語は、韓国語や中国語に似ているかというと、漢字は共通点がありますが、他に類似点はないと言語学者は言っています。そのような理由から、日本語を母国語とする人にとっては、何もかもが全く新しい概念や内容になるわけですから大変なのです。
新しい語学を学ぶということは、脳内に新しい思考回路を作ることと言われています。とすると、兄弟関係にあるところからの手助けがないのですから、孤立無援で一歩一歩進めていかないといけないのです。
だから、まず最初に、「あー、私たちはかなり挑戦的なことをやっているんだな〜」と捉えてくださいね。きちんと学習しないと身につかないということですから。しかし、英語の発音にもきちんと法則がありますから、それを攻略すれば問題はありません。それを少しずつ見ていきましょう。
1-1 英語の発音には、日本語にない口の形、舌の位置、音の出し方があります。
英語の発音には、日本語にない口の形、舌の位置、音の出し方があります。
私が英語の発音指導をしていると、最初はみなさん、「わぁ、とっても口が疲れた!」と言います。口をよく動かさないと発音がはっきり聞こえないから、口の周りの筋肉を使ったな、という感じになるんですね。
「まぁ、アゴが引き締まってくるからいいんじゃないの?」なんて冗談を言いますが、それだけ日本語で話しているときに使ってない筋肉がある、ということですよね。
何と言っても、日本語の母音は「ア・イ・ウ・エ・オ」の5つに対して、英語の母音は最低11もあるのです(もっと細かく分ける学者さんもいます。)
これらの英語の母音に対して、それぞれ日本語にはない特徴的な口の形がはっきりあります。口を縦に開けたり、はたまた横に開けたり。何と日本語の「ア」に相当するのが英語には4つもあるんですよ。
例:
arm = アーム(腕)=日本語の「ア」に近いですが、少しあごを開きます。
about = アバウト(だいたい)=ほとんどあごを開かずに軽く「ア」という感じです。とにかくはっきりと強くは発音しません。
cut = カット(切る)=口を縦に開きます。急に背中をたたかれると出る「アッ」という声に似ています。
cat = キャット(猫)=日本語の「ア」と「エ」が混じったような発音で、かなりあごを開きます。
*「イ」も2つもあります。
heat = ヒート(熱)=写真を撮るとき「チーズ」と言いますね?にっこり笑った時のように唇が左右にぐっと開かれます。その時の「イー」の音です。
hit = ヒット(打つ)=日本語の「イ」と「エ」の中間の音で、日本語にはありません。あまり口を開きません。日本語の「イ」と発音しがちですが、それは間違いです。
以上は、一例です。英語の発音一つ一つが日本語にはない口の形なので、まずは頭で覚えるのではなく、「口の周りに覚えさせる」方法しかないということを、ここではご理解ください。実際の練習はいずれじっくりとご紹介するのでやってみましょう。
1-1-1 英語の発音記号にも慣れましょう。
英語の発音記号を少しずつ慣れて覚えていくこともお勧めします。
わからない単語を辞書で引くときに必ず発音記号が載っていますから、徐々に、英単語が正しく発音できるようになります。
私の高校時代の英語の先生は、結構この発音記号を覚えるように指導してくれました。おかげさまで、私は最初から発音をとても意識しながら英語を学ぶことができたと思います。
なので、私の生徒さんにも発音記号に慣れるように指導しているので、「あ、違うよ。それはこの口を開く「ア」ですよ」などと修正します。英語の発音記号の読み方がわかるのも、結局は英語上達への近道になると思います。
この記事では、英語の発音記号を詳しく載せないでおきます。内容が複雑になるので、いずれ別記事にて解説したいと思います。
主要な英語の発音記号を覚えると、反射的にその口になるように少しずつトレーニングして行きましょう。
1-2 英語の音はとてもリズミカルです。
英語の音はとてもリズミカルなものです。
英語の音の大きな特徴です。英語の音にはloud(大きい)、slow(ゆっくり)なものがあり、またsoft(小さい)、quick(速い)なものがあります。
これに対して日本語では、個々の音はloudness(大きさ)、 quickness(速さ)の点でだいたい等しいのです。
例えば、先ほどのabout = 「アバウト」は、英語では「ア」がsoft(小さい)し、また最後の”t”も弱くて、途中の「バウ」がloud(大きい)です。日本語の「ア・バ・ウ・ト」のように、一つ一つはっきりとは発音しません。
cat = 「キャット」(猫)も同じですよね。ほとんど「キャッ」しか聞こえないかもしれませんね。
だから英語では、そのような音の組み合わせで文章が成り立つので、とてもリズミカルに聞こえるのです。そのリズムよく発音されるのを真似ていって、口や舌に覚えさせないといけませんね。
ここでは、日本語と発音のリズムが違うのだな、と感覚でわかってくださいね。
2 英語の発音のコツをつかむには?
英語の発音のコツをつかむには、どうしたらいいのでしょうか?
何かを学ぶには、「守破離」しかない、と聞いたことありますか?つまり、最初は徹底してマスターの真似をするのです。そうやって、型を学ぶ。
これは、英語の発音も同じです。全く日本語に馴染みのないものなのだから、まずはしっかり真似ることから始めましょう。
英会話の本を読んだからといって話せるようにはなりません。ネイティヴかまたは英語をマスターした人の発音を真似ることによってのみ英語が話せるようになるのです。
私は高校時代に留学したのですが、そこのホストファミリーの子供達に散々発音を直されました。「だめ、もう一回、」などとかなり厳しく。その子達は若かったから、7歳、9歳、14歳だったので、わからない時ははっきりと
“I don’t understand. What?” と容赦無く聞き返されました。
今となっては懐かしい思い出ですが、そうやってネイティヴの子供(笑)が先生だったわけです。おかげさまで私は発音にはかなり自信を持っていますので、指導にも力が入ります。
2-1 では、英語の発音のテキストは何がいいですか?
英語初心者さんは、一体どれをお手本にしたらいいか、テキストとして選んでいいのかわからない、という悩みもありますよね?テキストを選ぶ基準がわからない。
確かにそうですね。私がお勧めすることは、まずは大きな本屋さんに行って、あなたのピンと来るものを探すしかないと。オンラインで購入すると、時々、あれ?思っていたのと違うということありませんか?実際に届いた時にピンと来ないとやる気が起きないのではないでしょうか。
ピンと来るのは人によって違うのですから、まずは手にとってみて中を見てみる。そのときに、だいたいわかる内容、つまり80%以上はついていけそうなもの、理解できるわかりやすいもの、シンプルなもの、簡単なものをあなたご自身で選びましょう。
ここで欲張って、いずれ使うだろうから、とちょっと高度なものを買うと結局はやらなくなります。本当に相性の良い本というのがあるのです。私にはあります。手に取るとやる気が出る本というのが。本気で上達したいなら、実際に本屋さんに足を運んでくださいね。
そのときには、必ずCD付きのテキストを選んでください。
楽しい会話形式のでもいいし、ディズニーが好きならそこから選んでもいいし。むしろ、子供用の英語の本のコーナーに行くのもいいかもしれません。
発音上達のポイントは、簡単な文章をリズムよく何度も何度も繰り返すことなのです。根気よくやっていると、必ず効果が現れますから、やってみましょう。
それも、はっきりとした声を出して実際にCDに合わせて発音してみることが重要です。口の周りの筋肉運動と捉えてもいいですね。私がいつも生徒さんにお話していることです。だから、内容レベルは簡単なもので十分です。ここを間違えないでくださいね。
2-2 英語の発音練習に「キラキラ星」の「ライミング」
では、ここで一度私と一緒に少しトライしてみませんか?例えば、練習にこんな感じのものはいかがでしょうか?英語の発音練習に「キラキラ星」です。
アメリカの幼児教育に取り入れられている楽しみながら英語のリズムを体得して行く方法です。聴覚を鍛えるのにこの方法がベストだといわれています。子供が言葉を覚え始める時にいいのですから、英語の初心者さんにもぴったりです。
英語では、”Rhyming“=ライミング=「韻を踏む」
“Rhyme“=ライム=「韻」
ライミングは、単語の終わりの音に注目します。同じ音で終わっている単語のこと。
「キラキラ星」は、アメリカの子供たちに幼稚園で教える「ライミング」の良い例です。英語は大変リズミカルな言語で、抑揚があり、これが大きな英語の特徴ですね。そのリズムの作り方で、音に注目するのが「ライミング」です。
英語圏では小さいときから、わらべ歌などを通して、「ライミング」を使って聴覚を鍛えていくのです。
私の初級英会話クラスで発音練習の為に取り入れた「キラキラ星」の詩。
日本語では「トウィンクル、トウィンクル、リトル、スター」
「トウィンクル」っていうのは、キラキラって輝く意味です。
実際に、ここの文章を大きく口を開ける感じで発音してみてください。発音練習には、口でもごもご言っている限りは上達しません。第一、聞こえにくいです。多分、一番難しいところは、”world”だろうと思います。
発音の際にリズムよく、音声から聞こえた通りに発音できるようになると、とてもきれいですよ。私の生徒さんたちは何度も練習しているうちに、ほぼこの音声の通りに発音できるようになっていきます。
Let’s try!
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キラキラ星
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Twinkle, twinkle,little star,
(キラキラ星よ、)
How I wonder what you are!
(あなたはいったい誰でしょう!)
Up above the world so high,
(そんなに高いお空の上で)
Like a diamond in the sky!
(ダイヤモンドのようにキラキラ光る!)
Twinkle, twinkle,little star,
(キラキラ星よ、)
How I wonder what you are!
(あなたはいったい誰でしょう!)
*「ライミング」は、star / are, と high / sky
エリーがキラキラ星の詩を音声にとってみました。歌っていませんので、あしからず。。。笑
最初は普通の速さで、次にゆっくりと2回発音しています。
(40秒)
いかがでしょう?
実際の発音レッスンでは、この詩を完璧に発音できるように練習していきます。
“L“も “R“もたくさんあるから、やってみると、きれいに発音するにはなかなか難しいですよ。また、英語よみだとリエゾンというか、前の子音にくっついて発音したり。そのまま通りに発音しないものです。
最後は、なんだか知らないけど、自然に歌い始めてしまうかも。(笑) ぜひ発音練習に、このキラキラ星を攻略してみてくださいね。英語が楽しくなると思います!
このように、普段英語を勉強している方もたまには口周りのエクササイズとして、簡単でリズミカルな歌を通して発音してみる、というのもいいのではないでしょうか。
3 日本人が英語を話す時のマインドとは?
日本人が英語を話す時のマインドとは、なんでしょうか?
最後に、とても大切なことを話します。うまくしゃべれないことに対する劣等感を持たないことです。また躊躇しないマインドを持ちましょう。
生徒さんの中には、「私はまだまだ、、、」と恥ずかしがる方も多いのです。しかし、いつまで経っても超初心者の方ですが(あ、失礼)、習った単語をどんどん使ってみるシニアのご夫婦がいらっしゃいます。
楽しみながら英語を学んでいるから、「間違ったって平気〜」と、とても明るいのです。「なんでみんなが恥ずかしがるのかなぁ。もったいない、、、」と言われますよ。教える方も楽しいですし、クラスの他の方へもポジティブな影響を与えてくださるので嬉しい限りです。
ぜひあなたもこのマインドをお持ちになって、新しいことを学んでいる最中なんだから、間違えるのは当たり前、うまくしゃべれないのも当たり前の覚悟で持って、会話を楽しんで欲しいな、と思います。
結局は、気にするのは自分だけ、なのですから。
4 まとめ
英語の発音は、口の周りのエクササイズと思うこと。
覚えようとするのではなくて、口の周りの運動と思って、必ず声に出してみることです。頭でわかっていただけ、見て理解しただけでは、発音は全く上達しません。シンプルでもよく使う表現や挨拶なども含めて、しょっちゅう口にしてエクササイズのつもりで取り組むことに限ります。
少し簡単だな、と思うくらいの英語の文章をとにかく徹底して反復練習しましょう。自分でスラスラって言えるようになったな、口が良く動いているな、と感じると上達を実感してきます。
英語の発音には、日本語にない口の形、舌の位置、音の出し方があります。
英会話の本を読んだからといって話せるようにはなりません。ネイティヴかまたは英語をマスターした人の発音を真似ることによってのみ英語が話せるようになるのです。
英語の発音に関しては、まだまだお伝えしたいことがあるので、続きの記事にてご紹介していきたいと思います。どうぞお楽しみに。
Ellie Grace
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