英語の勉強方法/ 脳科学と英語の深い関係 〜 10倍効果が上がる勉強方法について
こんにちは。英会話講師のエリーグレースです。
英語の勉強方法として、脳科学と英語の深い関係と、10倍効果が上がる勉強方法についてお話しします。
脳科学と英語ってどう関係するの?と疑問に思われるかもしれませんね。
いやはや、ものすごく関係あるものだと知ってから私は生徒さんたちの学びに取り入れてもらっていますが、みなさん超納得されます。
今回は英語の勉強の効率をあげる方法としてご紹介します。特に英単語の暗記には抜群の効果がありますよ。また、これを応用して将来の資格試験とか、他の学びにも取り入れていくこともできます。
最新の勉強法では、脳の働きをしっかり理解した上で効果を上げる方法を取り入れて行くべきとのこと。あるビジネス成功者から教わりました。
勧められた脳科学者の本を1冊読んでみたら、、、ハマりました。
いや〜、知らなかった、、、もっと早く知りたかった〜という内容ばかりだったのです。
それは、池谷裕二さんの「受験脳の作り方〜脳科学で考える効率的学習法」の本。
元々は、高校生向けに受験勉強に役立つようにと書かれたそうですが、普遍的な内容なので一般向けに書き直されたそうです。
池谷裕二さんは「記憶の専門家」で、記憶が脳でどのようにして作られ、どこにたくわえられるかを知っておいた方が良い、と提案しています。
効率よく勉強するには、脳のルールをまず理解してうまく活かして行くのは良い方法ですね。特に今から英語を学び直そうとしている初心者にとっては、「効率的」というのは重要なキーワードではないでしょうか。
英語と記憶は、特に関係が深いですよね。とにかく、英語を学ぶということは『脳内に新しい思考回路を作ること』なのですから、一朝一夕にはできません。
そのことは、「英語の勉強の仕方/ 100%目標達成するための大人の英語勉強法5か条」の記事でご紹介しました。
そちらでは、英語学びの目的をはっきりさせましょうと、英語の文法の重要性のことを、特に述べています。
本気でこれから英語を身につけたい方にとっては大切な話ですので、どうぞこの記事とあわせてお読みくださいね。
さて、2009年5月~7月放送のテレビドラマですが、キムタクが主演で素晴らしい脳の働きを発揮して事件を解決する番組がありました。TBS系のドラマ『MR.BRAIN』(ミスター.ブレイン)。
大変印象に残っているストーリーでした。何がって、ある日をきっかけに脳が異常に働きだし、超凡人から天才に変わってしまったのです。
まぁ、いわゆるできそこないで人生の落ちこぼれだった彼が、上から建築物が落ちてきて頭を打ち、命が助かったと思ったら天才脳科学者になっていた、という話。
まさか、そこまでは、、、というドン引きの内容もありましたが(もちろん番組を面白くするためのスパイスだと思います)、その頃から随分と脳の働きについてや脳科学者のコメントなどが出始めたような気がしています。
その時は、どうせドラマでしょ!なんて構えて見ていたものの、どうもそれがきっかけで、私も脳についてもっと知りたいと思い始めた気がします。
また最近では、ピクサー映画の「インサイド・ヘッド」英語では”Inside out” と言いますが、脳についての興味深い映画もあります。子供向けなのに、大人にとってよりためになるという優れた評価をもらっているものです。
なんと人間の体は巧妙にできているものか、脳って素晴らしい〜〜と改めて感心しますが、知れば知るほど人間ってすごいって思ってしまいます!
せっかくあるものは、活かさなきゃ!
そう思いませんか?
私は「英語の基礎力をつける専門家」です。基礎がなかったら、絶対に英語をモノにはできませんよ、と言っています。
その基礎の段階から、このような効果の上がる勉強法を取り入れたらどんなに時間が節約できるか、効果的かと思ってご紹介したいと思いました。
目次
1. 英語の勉強方法/ まず『海馬』を知ってから戦略を立てよう!
英語の勉強方法は、まず『海馬』を知って、それから戦略を立てることにしましょう!
『海馬』という短期記憶の場所が、いかに勉強に重要かを知っておいた方がいいでしょう。
馴染みのない英単語を一つ例にとりましょう。英語の新しい情報、例えば”accomplish“という英単語としましょうか、それを覚えようとすると、脳の中ではどのような処理が行われるのでしょうか?
まずここではその”accomplish”を初めて聞いたとしてくださいね。
“accomplish“=「成し遂げる」の動詞=「ァカンプリッシュ」
あ、そうか、そういう意味か、、、
と、まずは『海馬』という短期記憶の場所に、ピッと入ります。
この『海馬』は、耳の奥の方にあって大人の小指半分くらいの大きさだそうです。全ての情報がまず一番最初に入る場所です。
『海馬』は、いろいろな情報を入れますけど、ずーっとお取り置きすることはしません。とても小さいのでキャパが足りないのです。
あなたにとって重要不可欠か、または生命にとって危険かどうかで判断して、ほとんどのものは夜寝ている間に捨て去ってしまいます。
だから、今、”accomplish”を見たからと言って理解したと思っても、明日の朝まで覚えているかというと、これがあなたにとってなんの意味もなさないとしたら、ほぼ100%忘れることでしょう。
いかにこれがあなたにとって大切かを教えてあげなければ、『海馬』はさっさと勝手に断捨離してくれちゃうのです。
脳は忘れるようにできているのが前提なんですと。全ての情報を覚えているとしたら、膨大すぎてキチガイになってしまうそうです。実際にそのような病気があるそうですよ。
私、これを知ってから、とっても気が楽になりました〜。笑
なんか、私しょっちゅう忘れるし。。。としょげることはないんですよね。
さっき覚えたと思ったら、もう忘れてる、、、なんてことはみんなにも起きているんですわ。どんな人にもだって。
さっき辞書引いたのにもう忘れた場合は、、、またもう一度引きましょう。そして、次の日に忘れたと思ったら、また引き直しましょー!(と、英語の達人達もおっしゃいます。)
その『海馬』は知識の関所みたいなところで、ただ一時的に情報を保管するところなのです。
その後、あなたにとって本当に大切なことから順番に「長期記憶」の場所に移されていきます。特に生命維持に関わること、またはとても印象深いもの、感動を受けたものなどから選択されていきます。
「長期記憶」は、大脳皮質というところで長期保存してくれます。そこはきちんと情報も分類・整理されている保管場所になっています。
もし『海馬』にぐちゃぐちゃに、ランダムに情報が入ったとしたら、、、もちろん厳しい関所でチェックもされずに(?)さっさと捨てられるでしょうね。どうも、よほどのことがない限り1回で合格することはないそうですよ。
情報は必ず、その短期記憶の『海馬』をくぐってから長期記憶に移されることになっています。そうしないと知識にはなりませんので、いかに『海馬』を手なずけるかが鍵となるでしょう。
つまり、これは大切なんだよ、と印象深く「必要なもの」として仕分けしてもらわなければならないということです。
ちなみに、これはどんなにお年寄りでも同じだそうです。今すぐのことは覚えられないけど、昔の話はずっと覚えている人、いますよね。長期記憶にあるものを出しているからなんです。
ここで、私は年だから、、、英語はもう難しいかも、と諦める人に一言。
年齢に関係なく『海馬』はきちんと働いてくれるそうです。しかし、何が問題かというと、年齢がいくと長期記憶から覚えていることを取り出す能力、つまりサーチエンジンが少し弱まってくるとのこと。
ちゃんと機能はするのですから、いかにサーチエンジンにかかりやすくするか、を努力するべきですね。そのように視点を変えてやりましょう。
さて、その『海馬』の特徴がいろいろわかってきましたね。
② 寝ている間に勝手に断捨離する。
③ 重要なことから長期記憶に移す。
もっと詳しいことは、ぜひ池谷裕二さんの本を読んでみてくださいね。
この記事では、上記の3つの観点から英語の勉強にどのように活かしていくのかを、これからお話いたします。
特に、ある分野に特化したやり方というよりも、英語の総合実力をアップさせるための内容です。
2. 英語の勉強方法/ 全体から細部への法則
英語の勉強方法として、全体から細部への法則についてお話します。
今、このページにいらしたあなたは、きっと効果が上がる英語の勉強方法を知りたいと思って記事を読んでいらっしゃることと思います。
それも具体的な方法を探しているかもしれません。どのテキストをどのくらいやったらいいのか、とか。お勧めの音声などはあるか、とか。。。
一口に、英語の勉強と言っても、英語にはいろんな分野があるのです。全てひっくるめて「英語の勉強」としているので、漠然としていますね。
語学には必ず、読む・書く・聞く・話すの4分野があります。
英語でしたら、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング。そこにプラスして英単語増強と発音があることもお忘れなく。
私はこれらの6つの分野に分けて見ることにします。そのどれもが勉強法としては、一つ一つユニークなので、違うのです。
リーディング・ライティングには、文法知識が欠かせません。文法は、語学の法則だから最低限のことは覚えないと始まりません。だから、文法を中心にまとめられているテキストを使っての勉強は欠かせません。
文法がどれほど大事かという話は、こちらの記事「英語の勉強の仕方/ 100%目標達成するための大人の英語勉強法5か条」でお話していますので、ぜひ読んでくださいね。
リスニングと発音は、大きな関係性があります。自分が発音できないものは、聞き取れないことになっています。CDや音声を使ってのトレーニングが必要です。
例えば、先ほど例に出した”accomplish“という英単語。これを知らなかった人は、まず発音できないし、それを耳にしたところで全く意味をなしませんよね?きちんとしたアクセントも正確でないと聞き取れないのです。
スピーキングは、特に口の周りの筋肉と舌の動きが重要な働きをします。日常会話に関しては、それほど難しい英文をペラペラ喋ることはありません。スピーキングは、瞬発力と対応力も必要です。
さてお分かりのように、これら全てを一気に上達させようとするのは大変なことです。満遍なく上達するのは理想ですが、もっとこれから真剣にやろうと思っている方にとっては、とてつもなく先が長く感じられることでしょう。
ここで大きな問題があります。
今まで英語の勉強を進めて来られた方と、今、初めから英語をやり直そうとする方には、大きな隔たりがあるのです。
今のあなたの英語はどのレベルなのでしょうか?
大きくくくると、初級を終えた方と、これからまさに初級から始めるという方に分かれます。それぞれの提案が違うので、これからみてみましょう。
2-1. 英語の基礎を終えた方の勉強法
まずは、初級を終えた方へ、つまり、英語の基礎を終えた方の勉強法です。
私がお勧めするのは、もしあなたが基礎はもうできているとしたら(ここはとても重要!)好きな分野、あなたにとってとっかかりやすい分野からもっと掘り下げてみませんか、ということです。
文法でしょうか?単語力増強でしょうか?あなたは、どの分野を一番先に攻略したいですか?
英語の勉強に慣れていてこれからもっと深めたい方へのオススメです。お好きな分野から徹底してやるといいでしょう。ご自分で分析してみてください。
基礎ができている方は、全体をつかめているという前提で、今度は細部に行ってそこを強化していくうちに、他の部分にも派生して知識としてより強まってくるのです。
例えば、私の場合は、得意な分野はスピーキングです。高校留学の時は、一年間英語オンリーの生活をして鍛えることができました。発音もかなりやったのでよく理解しています。
ですから私は、スピーキング、とにかく口を動かして滑らかに発音できるようにしたり、表現法をスラッと言えるような口語練習が好きだし、やりやすいです。
とにかく私にとったら、発音練習やスピーキングで口からポロっと英語がこぼれたりするのが、とても面白かった。
「え?なにこれ? ついこの前習ったのが、勝手にポロっとでたジャン!」みたいな、、、
そんな経験をしたんですね。そうすると、ますますやる気が出て楽しくなるものです。
そうしているうちに、「あぁ、もっと単語を増やさないとなぁ。」
「文章書くのに作文力が足りないから、もっとライティングをやろうかな。」
とか、そうやって徐々に英語の勉強の枠を広げて行きました。そして、基礎がしっかりできたのです。
生徒さんの中には、文法が好きという方もいらっしゃいました。そこから広げるのもいいですね。
全ては関連づけて、知識を深めて行くことができます。大きなくくりの中の一部ができたら、他の部分も強化されていくことになっています。
2-2. 英語の初心者の場合の勉強法
さて、では初心者の場合はどうすればいいのでしょう??基礎ができていない人の場合の勉強法とは?
上記の方法はきちんと全体を把握している脳、基礎ができている人にしか当てはまりません。最初っからの人は、このように進めるのはオススメしません。
とにかく、初心者さんはどれからやっていいか、どうやっていいのか、わからない。
ですよね?
もっともなことです。でも、ちゃんと上達への道があるのでご心配なく。
今、全く初めから英語をやり直そうとする方にとにかくお勧めするのは、まずは全体像を把握することから始めるということ。早く喋れるようになりたい、と考えるよりもまず先に基礎力をつける方が重要なのです。
基礎力をあげないことには話になりません。慣れてきたらどこが得意なのか、弱いのかも、分析する必要があります。そうして英語攻略の戦略を立てる!
例えば、全体の流れを把握することの大切さは、スポーツのテニスを例にとってみましょう。英語よりわかりやすい例が挙げられます。
テニスの初心者でラケットの持ち方もあやふやな人に、いきなりサーブを特訓したところでうまく行くことはありません。まずは基本ができてから、サーブ、レシーブ、スマッシュなど細かい注意で上達するようにしますよね。
まずは順序立てて大きな流れをつかみ、大体の基礎ができないと結局はどれから深めればいいのかわからないのです。つまりは戦略が立てられない。
それと同じように、英語の初心者も、まずは英語の基礎の部分をしっかりやり終えることが重要です。
その後、さらに理解を深めるために、今度はあなたにとってやりやすい分野からもっと攻めて行って、最終的には英語がペラペラになるという過程を踏まないと行けません。
さて、では、その基礎力はどのくらいのことを言うのかというと、中1と中2で習うレベルのことをさします。
アメリカ生活での日常会話は、ほとんどの場合そのレベルで十分できます。私はそうやって毎日暮らしていますから、本当のことですよ。
ただ、中1レベルは簡単だから自分はできると思っている方も、実際にスピーキングで使えるかと言うと、とっさには出てこないのでショックを受ける方も多いですね。
目で見てわかる、読めると言うのと、実際に話し言葉として「使える」と言うのとでは、全く違うので覚えておいてくださいね。
この中1レベルをあなどると、それ以降が進みませんのでご注意ください。ここは、本当に大事なポイントです。
テキストの一番のオススメは、「NHKラジオ講座」の「基礎英語1」と「基礎英語2」です。これほど理想的に順序立てて基礎力をつけられるのは、他にないってくらいです。独学でできますが、時間はかかりますね。
中2レベルまで基礎力をつけるのに、指導者と一緒にやったら早い人で半年くらいでしょう。じっくりやれる方は、1年から2年くらいはみておいた方がいいでしょう。ここをクリアーしないことには、英語の細部に行っても効果は出ないので、ご注意くださいね。
この初級レベルできっちりと基礎力をつけるということは、少し時間をかけてでもじっくりとやった方が、後に一気に加速していきますので焦らない方がいいですよ。
基礎がきっちりできると、応用力がつきます。今までの倍以上の速さで進めることができるようになります。楽しみですね!
最初の「基礎英語1」で学んだことがどんどん積み重なるのも確かにありますが、脳のシナプス回路がスパークして、アメーバのように関連のあるものをどんどんつなぎ合わせて行くと言うイメージもありますよ。
脳は、ただランダムに情報を入れても記憶に残してくれないのです。重要な情報としてみなしてくれません。
① 順序立ててやる
② 関連性を持たせて覚えやすいように配慮する
そう意識するといいですね。ここはとても重要なポイントです。
良いテキストは、きちんと順序だってできているものだから、『海馬』に入った情報を分類しながら長期記憶に入れ込んで行くのに協力してくれます。
そこで今度は、あなたにとっての良い教材はどんなものか、をみていくことにしましょう。
2-3. 英語の勉強方法/ 相性の良い参考書選びのコツ
英語の勉強方法として、相性の良い参考書選びのコツをお話します。
こればかりは、あなたご自身が大きな書店に行って実際に手にとってみて中をみて決めた方がいいです。
相性を大事にしましょう。それも第一印象を重視してください。はじめにパラパラとめくってみて決めるのが一番のポイント。
インターネットで、他の人たちが勧めるからと言って買うと、それがあなたにとって合うかどうかはわからないということを覚えておきましょう。
この点は、池谷裕二さんも著書の中で繰り返し注意を促していることです。
誰が勉強するって、「あなた」ですよね?だから「あなた」が決定権を持って、自分の感性を信じて選びましょう。
サラッと読む本なら、人のオススメに従って買っても、あ〜、ちょっと失敗したな〜と思ってもまぁ許せるのですが、、、そんなこと、しょっちゅうありますよ。(アマゾンさんの言いなりに〜〜!?笑)
でも、参考書やテキストは、そんなにいろいろあっても困りますよねぇ。
とにかく、まさに今から英語を始めるという方は、まず求めるものは「NHKラジオ講座」の「基礎英語1」か「基礎英語2」にしましょう。そして、実際に番組放送を聞いてみましょう。どちらにしても、ワンコイン以内で購入できます。
できれば、というか、この両方を使うのがベストなので、頑張れる方は両方買って両方聞いてみましょう。一日3回放送があります。
そして、まず目指すのは、「基礎英語1」が完璧にスラスラと口に出てくるようにしながら、「基礎英語2」の内容がきちんとヒアリング、聞き取れるかです。
そこまで行ったら、大体の基礎力はできつつあるなぁ、と思っていいでしょう。
期間的には、集中的にやれるなら早い人で半年ほど。じっくりやって1年半〜2年はかかるとみておきましょう。どんなものでもしっかり身につけるには、最低でも1年はかかるものなのですから、焦らずに進めるしかないですね。
2番目としては、これから長く使うだろうからと今の自分のレベルよりもずっと高いもの、難しい内容のものを買うと失敗します。
特に、基礎を終えたと思っている方にとっては、少し背伸びして知らないものが多く載っている内容を選びたくなるかもしれませんが、ご注意を。
リーディングやライティング用の参考書など、本当にたくさんありますよね。池谷氏いわく、世の中には良い参考書、悪い参考書があるかもしれないけど、しかし実際には、気にするほど大きな差はないと。
だから、1冊決めたらそれを何度も繰り返しやった方が効果が上がると言っています。
もし、文法から攻めようと思ったら、文法書をまず買いましょう。そして練習として、高校受験用の中学生のための文法の問題集などをするといいでしょう。
とにかく、実際に書店に行って、手にとって選んでくださいね。
とは言っても、一応、私の気に入っている文法の本をご紹介しておきます。もしたった1冊だけ買うとしたら、一億人の英文法 (出版:東進ブックス、著者:大西泰斗)をオススメします。「話すための英文法」とうたっていますが、用例がとても実用的です。
あ、それから補足です。
本を選ぶ際、図や絵が入っていて、視覚的に見やすいものを選ぶといいです。しかも、その図がより有効になるためには、視野の左側に配置されているのがいいそうです。
おそらく右脳の働きで、人は左側に見たものをよく覚えるのだとか。反対に、読んだり聞いたりした事、言葉に関する事は右耳から入った方が、左脳に覚えやすくするのだそうです。
これも参考にしながら、ご自分のフィーリングで選んでみましょう。
3. 英語の勉強方法/ 繰り返しの法則
英語の勉強方法での、繰り返しの法則についてお話します。
池谷裕二さんは、本を1冊決めたらそれを何度も繰り返しやった方が効果が上がると強調しています。
なぜでしょうか?復習が大事って、そんなこと、先生から言われて知っているよ。。。という方、ご注意ください。これを知ったらやらざるを得ませんから。。。
どうしてそれほど勉強に復習が大事かって、脳は忘れるようにできているからなんです。決して、頭が悪いとか記憶力が悪いとかの問題ではなく。
ここで記憶の「忘却曲線」をご紹介します。脳はすぐ忘れるという大前提があって、新しい情報を入れても記憶に残るのは、こんな感じ。
「忘却曲線」は、エビングハウスという心理学者のセオリーで、英語では “THE FORGETTING CURVE”と言います。
画像出典元:文教大学付属中学校、高校より
恐ろしいのは、1時間もしたら半分も忘れるということです。みんなそうなんですって。
私はよく、後ろを振りむいたら忘れるの、と言いますが、、、あながち嘘でもなさそうですね。覚えたつもりでも「あれ?なんだっけ??」
すごくがっかりしますが、そんなものだと思ったら、もう開き直りましょー。みんな同じなんです!脳はそういう性質なんですって!
画像出典元:WHAT IS THE FORGETTING CURVE?(Growth Engineering)
関連性のある画像を探しているうちに、ここでちょっと面白いことを発見しました。日本で紹介されている「忘却曲線」の時間軸のラインとアメリカでのラインが違うこと。
カーブの流れは同じですが、どうもアメリカの方がアバウトな感じですねぇ。でも、きちんとアメリカでも世界中でも紹介されていますよ。(英語で紹介されている方が世界に伝わるから、受け入れられているはずです。)
先ほど、参考書を決めたら何度もやることをオススメしました。新しい本をあちこちやったら、脳としてはそれらをまた新しい情報として捉えるから、慣れるのに時間がかかります。それよりは、一つをしっかり覚えるまで復習に力を入れましょう。
このグラフが表す通り、忘れかけてきた頃に、また刺激を与えます。また次に忘れた頃に見直してと繰り返す事によって、脳はこれは重要なんだな、と捉えてくれるから長期記憶に移してくれます。
ここの横軸は日数になっていますが、日本のグラフで見ると経過時間も表していますね。1日でもかなり忘れるものですから、数時間ごとにとか複数回にわたって刺激を与えるといい、と理解できますね。
これが「忘却曲線」の傾きを緩やかにする、つまり忘れにくくする方法なのです。復習する真意は、忘れる速さを遅くするためです!
また面白い事実は、例えば新しい英単語を10個覚えるとしましょう。数時間後には、さっきやったのにもう忘れてる状態になっていますよね。しかし、その単語はすっかり頭から消え去ったかというと、決してそうではないという事。
つまり、あ〜そうだった、と思い出すんですよ。ちゃんと脳の中には残っているのです。
ただ思い出すことができなかった、というだけ。それを、まるですっかり忘れたかのように感じて、つい自分を責める、、、これはよくないですねぇ。
ここで、勉強の捉え方ですが、「あ〜、復習が大事だからしなくちゃ」と義務感でするのってなんか楽しくないですよね。
「お、ここいらでまた脳に刺激をちょこっと与えるか〜!」と捉えたらどうでしょうか!
「海馬くん、さっきのこと忘れたらダメだよ〜。大事なんだからね」とつぶやきながら。笑
「次は明日の朝にまた刺激ツンツンするから、待っててよ〜」、、、なんて遊び心でやったほうが、なんか覚えるってものかもしれませんよ。
あとは、復習をいつすれば良いかというタイミングについてです。海馬での新しい情報の保存期間は1ヶ月だそうです。
1ヶ月以内に復習しないと、また新しい情報として認識するそう。なので、最低でも1ヶ月以内に復習しましょう。その間に何度やるか、、、が記憶の定着の鍵ですね。
池谷裕二さんの提案としては、
- 学習した翌日に1回目。
- その1週間後に2回目。
- さらにその2回目の復習から2週間後に3回目。
- さらにその3回目の復習から1ヶ月後に4回目。
そうやって少しずつ感覚を開けながら全2ヶ月かけて復習すると完璧だそうです。これは、英語だけでなく、全ての勉強法に役立ちますね。
まぁ、これは参考にするとして、あなた自身の学習計画を立てる必要があります。
ガッツリと毎日時間をとって勉強するのはなかなか大変なことなので、いかに隙間時間を使って効率よく復習時間を確保するかにかかっていると言えます。
この隙間時間をうまく使えた人が、英語を本当にモノにしている人たちなんです!
あ、ここいらでクイズ。先ほどの”accomplish”という英単語、まだ覚えていますか〜?笑 (ここまで読んできたら、まだ数分しか経過してないですが、、、)
4. 英語の勉強方法/ より記憶するための感動と五感への刺激
英語の勉強方法として、より記憶するための感動と五感への刺激についてお話します。
重要なことから長期記憶に移すについて、今までかなりお伝えしてきました。実は、重要だと思わせるのにコツがあります。
『海馬』のすぐ隣にある『扁桃体(へんとうたい)』という、小指の先ほどの小さな脳の部位があります。そこは、記憶の結びつきを強くするのに大きな役割を果たすところです。
この『扁桃体(へんとうたい)』は、感情を生み出すところで、喜び、悲しみ、不安などを作り出します。『海馬』は記憶工場、『扁桃体(へんとうたい)』は、感情工場と覚えておいてくださいね。
ここは隣同士なので、感情の起伏があると『扁桃体(へんとうたい)』が神経細胞を刺激して、『海馬』をブルブルとふるわすというイメージですね。つまり確実に影響を与えるのです。そうすると、『海馬』は重要な情報だと察知して、より記憶しやすくしてくれるとのこと。
だから、強く印象に残った思い出は、喜びや悲しみや痛みと共にたった1回の経験だけでもいっぺんに記憶に残るというわけ。
感動するとより印象に残るものですから、いかに感動しながら勉強するか、、、あぁ、これはちょっと難しいですね。でも、いかに面白いなぁと感じながら勉強するのは、工夫次第でできることかもしれませんよ。
その面白くする方法の一つとして、五感への刺激があります。
人は、覚えたことを人に話すとより記憶が強まります。「ねぇ、ねぇ、ちょっとこれ聞いたんだけど、すごいよ」と、人にすぐに伝えたくなる人いますよね。結構そうやって、記憶を強めているそうです。
口から言葉が発せられ、それが耳に入る。耳から覚えたものは、目からだけよりも強力な記憶法です。
歌詞を覚える時も、ただ歌詞だけを目に頼って覚えようとすると難しい。でも、声に出してメロディーやリズムをとるとすぐに覚えますよね。これと同じです。
英単語を覚える時に、特に注意してください。本だけ、視覚だけではダメです。必ずCDを使って発音を聞く、そして口を使って真似る。そうしないと、完璧に覚えたになりません。
英語の発音まできちんとできないといざという時に使えなくなります。口の開き方、舌の位置など日本語にないものばかりなので、正しく発音できて初めて英単語攻略と言えます。
また、つながりを持ちながら覚えないと、『海馬』は重要な情報だと察知してくれないので、必ず英単語は、使われている英文のセンテンスごと覚えるようにしましょう。だから、英単語の本は、必ずセンテンスまで入っているCD付きのを買いましょう。
つまり、先ほどの”accomplish”という英単語は、多分すごく覚えにくいと思います。センテンスでどのように使われているか、実際の発音がどうなっているのか、またそれがあなたにとってどのくらいの重要性を持っているのか、そういうのが記憶に関係してきます。
では、ここでちょっと詳しく見てみましょう。
“accomplish the task” =「仕事をやり終える」(それも達成感を持ってやった、の意味)
実は、”complete”=「コンプリート」=「完了する」に関係があります。接頭辞の”ac”+ “complete” となっている単語です。
接頭辞の”ac”は「~の方に向かって」の意味があります。 だから”accomplish”は、”complete”の方に向かっている。兄弟関係だってわかりますよね。
と、ここまでやれば、まぁ、少しは記憶に残るかなぁ。笑
発音まで聞けるとより覚えますよ。
また、実際に手を使って紙に書くことも効果ありますから、手を動かし、声に出して発音して(しゃべって)何度も繰り返す(復習する)。これが海馬をフルに刺激しながら記憶させる学習の近道なんです。英語は、こうやって覚えましょうね。
これにプラスして、脳に振動を与える、というのはどうでしょう。私がよくするのは、覚えたいことを歩きながらとか、部屋をウロウロしながらとか、、、動きながらブツブツ唱えながら覚えるということをやります。なんか気分が変わっていいものですよ。
これもまた海馬を刺激するのに一役買ってくれますので、ぜひお試しください。私は音声を収録する時や講演を頼まれた時など、覚えたいことをより印象づけるのに効果があることを経験済みです。
5. 英語の勉強方法/ 語彙力アップは寝る前が効果的
最後に、英語の勉強方法として、語彙力アップは寝る前が効果的という話をします。
特にここでは、英単語の攻略にぜひ応用すべきことです。
この池谷裕二さんの本を読むと、「眠ることも勉強のうち」なんて書いてある! びっくりですよね。「覚えたかったら寝なさい、睡眠が脳に大事なんですよ」って、繰り返し言われて驚きました。
なぜかというと、脳は睡眠中に、情報をいろいろと組み合わせてテストして、過去の記憶を整理していくからです。どの情報が必要かどうかを吟味している時間だとのこと。
従って寝ないと、海馬に情報を処理する余地を与えないから、うまく機能せずに整理できずにせっかく頭に入れたものをデリートしてしまうと。最低睡眠は6時間取りましょう、という脳科学者もいますよ。
だから、一夜漬けはもってのほか。睡眠を削ってまで徹夜しても、結局はほとんど脳に残らず長期記憶の戦術にはなりません。「やるべきことをきちんとやって、あとはしっかり寝て海馬の活躍に期待する」を覚えておきましょう。
もっと早くに、私の受験勉強中に知りたかったなぁ・・・笑
朝型と夜型の記憶のテストをした場合、どちらが効果あるかというと、夜寝る前に勉強した方がより記憶に残りやすいそうです。学習の直後に寝ると、睡眠中に記憶の整理をしてくれるから。
「覚えたら忘れないうちに寝る」が一番のオススメ。しかし、「夜型」と「夜更かし」とは意味が違いますから誤解なきよう。あくまでも、就寝前に覚えるべきことを済ませる。
就寝時間の1〜2時間前は、脳にとってのゴールデンアワーだということです。これを、ぜひ英単語の記臆法に応用しましょう。
英語の勉強のうち、英単語の語彙力アップが一番手間がかかりますね。英文法は、ある程度やって法則を覚えればできるようになるのに対して、語彙力の方はコツコツ以外に方法がありません。
やはり初級でも1500語は覚えるようにした方がいいですね。大体、中学時代に学ぶ英単語数がそのくらいですから、これはもう頑張るしかないです。
さて、それで私も夜寝る前に単語を覚えるのを試してみました。「星の王子さま」の英語版に載っている、わざと、普段の日常会話には使わない英単語をひろって覚えてみることに。
例えば、”apparition” “reverie” “fumble” ・・・などなど10個ほど。
順番に「おばけ」「幻想」「ぎこちない」・・・などという意味ですが。
やっぱり次の朝には、かなり忘れていました。でも、あ〜、そうだったよなぁ、と確かに思い出すのですから、記憶はすっかりなくなっていませんでした。
しかし、、、普段使いの単語ではないから、、、私にとったら重要ではないと見なされているようで、1週間もやらなかったらすっかり忘れてます〜。
だって、”apparition”=「おばけ(みたいなもの)」は、なにも”ghost”「ゴースト」でもいいじゃないですか〜。笑
そこをめげずに何度もですね。忘れたら、やはり使われている文脈に戻ってもう一度どうセンテンスがなっているか、前後関係がどうなっているかを確かめると、より記憶が定着するのが実感できました。
オススメすることは3つ。
その日に勉強した英単語やセンテンスを、あなたの覚えられる範囲で(ムリな量はダメです)整理して、就寝前にもう一度復習すること。
新しい英単語を10個ほど夜に覚えるようにして、朝起きたらまたそこを見直すこと。朝の通勤・通学の途中で見直してもいいかもですね。
その後、4時間くらいしたらまた見直して、、、を繰り返しやるようにすると効果があることはもうお分かりですね。忘れる頃を見計らって、何度もやるしか暗記力アップの方法はないことを強調しておきます。
こうなると、もう隙間時間をいかに有効に使ってコツコツやるか。どのようにあなたの生活スケジュールに組み込むか、というスケジューリングの話にもなってきますね。ここは、あなたがどのくらいやる気があるのか、によって決まるところではないでしょうか。
まぁ、ここでは、覚えるのだったら夜のうち、そして、しっかり寝て記憶を定着させましょうということだけを覚えておいて、ぜひあなたの勉強に応用してください。
あとは隙間時間の活用法で、どれだけリピートして記憶させやすくするか、そこの戦略を練ってくださいね。これは、とても重要なポイントになります。
6. まとめ
さて、『海馬』と英語の勉強法との関係はわかりましたでしょうか?『海馬』の特徴は、ここでは以下の3つをあげてみました。
② 寝ている間に勝手に断捨離する。
③ 重要なことから長期記憶に移す。
脳の仕組みを知って、これからの勉強の効率化をはかるのにぜひ取り入れてください。
「英語の基礎力をつける専門家」の私からのオススメとして、特に時間と手間のかかる英単語の語彙力アップに活用していきましょう。
基礎がなかったら、絶対に英語をモノにはできませんから、どうやって効率よく、一度で覚えるがごとく、楽しみながらやれるかを重視したいです。
英語の基礎作りには、「NHKラジオ講座」の「基礎英語1」と「基礎英語2」をオススメします。これほど理想的に順序立てて基礎力をつけられるのは、他にないってくらいだからです。
目標としては、「基礎英語1」レベルの口語表現がスラッと言えるように、そして同時にリスニングは「基礎英語2」が十分にわかる程度までやれるとベストです。そこまでが、基礎の第1段階と言えるでしょう。
英語のスピーキング力をあげるためには、私は両方やるのをオススメしますが、慣れてないうちはどちらかをきちんとやれるようにしましょうね。独学でできますが、ただし時間はかかりますから計画的にやるしかありませんね。
日本には、世界最高級の英語教材が揃っています。参考書選びは、ご自分の感性に従ってピンと来るものを選んで大丈夫です。
暗記する時は、「忘却曲線」= “THE FORGETTING CURVE”を思い出してください。脳は忘れるようにできているということも、お忘れなく。
忘れる時間頃にまた繰り返し復習をするというスケジューリングが大切になってきます。
また、眠るのも勉強のうちと心得て、覚えるためにしっかり寝てください!
暗記するものは、就寝前にやってみると効率が上がります。丸暗記や徹夜で追い込みは、記憶装置の『海馬』くんの機嫌を損ねるので、やっても効果がありませんよ。
今回は、”accomplish“という英単語と共に話を進めてきました。ぜひ、あなたの英語の目標を達成するために、英語を征服した!と言えるようになってくださいね。
そのお手伝いをしたいと思い、このブログから英語の知識をいろいろとご紹介して行きたいと思っています。
私の場合は、英語の基礎は”accomplish”した、と認識しています。だから、英語圏で暮らす日常会話には揺るぎない自信があります。毎日それで楽しく暮らしています。
私の英語の目標は”accomplish”している状態ですが、今度はその知識や方法を英語を学びたい方に伝授していくという新たな目標に向かっているところです。
今回は、脳科学と結びつけて英語全体の学習についてのお話でした。それぞれの英語の分野の進め方については、また別記事にてご紹介していきたいと思います。
しかし、英単語のボキャブラリーを増やす方法としては、大変効果があるからぜひやってみてくださいね。
隙間時間をうまく活用して、時間配分に気をつけながら、あなたの目標とするところまで英語学習を進めて行って欲しいと思います。
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